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小平麻衣子著『夢みる教養――文系女性のための知的生き方史』


2016年9月30日 河出書房新社刊 201頁 1500円+税

    
何かが欲しい‼ 得たいの知れない〈教養〉 実現されない夢の構造を解き明かす 
第一章〈人間〉にはエリートしかなれないというよく知られた事実――通俗小説からみる大正教養派 教養主義の源流 個性が称えられる衝撃 少女小説作家が描く受験戦争 〈人間〉の落伍者たちの連帯 思想と制度の解決されない矛盾 

第二章 東大生〈以外〉はどんな本を読んできたか――女の教養の範囲 高等女学校で何を習うか 古典に自分の人生を思う 女学生、世界を読書する 女性の教養 あたりまえだが、本は金で買う

 第三章 恋愛は女の革命か⁉――マルクス主義と人文的教養の凋落 女性が大学に行く方法 結婚と恋愛 反―教養時代の幕開け 革命的恋愛観の欺瞞 女性は薔薇の革命をめざす 実践する人文学へ 女性化する教養 

第四章 差別するにはまず女性を活用すべし――「教養」の二重底 マニュアル化される教養 だが教養は知識ではない 教養が「教養」と呼ばれる 〈知識ではない〉が〈知識抜き〉に寝返るとき 女性は文化の〈お客様〉 

第五章 向上心があなたをダメにする――教養雑誌の投稿から キャリア志向のお姉さん誌 すべての女性を愛する川端康成 下手であれという指導 女の実感は誰が決めるのか 〈ほんとうの教養〉というレトリック 

第六章 〈文学少女〉はいない――文豪たちの邪悪な共同体 人に見せる私/私だけの私 少女のままで死にたいのは 衝撃の(もしくはありふれた)盗用 太宰がけっこう小さくいじった挙句 女がダメなのは、女自身のせいか社会のせいか 男性たちのエロティシズム 

第七章 お稽古も命がけ――戦中における〈ほんとうの教養〉の呪縛 自己実現の不首尾 出産と労働を両立するには 戦時にお稽古が流行る理由 〈やりがい〉という強迫観念 〈文化〉に呼びかえられる教養 芥川賞は作家の登竜門か 

第八章 戦後文学部の女性化――〈役に立たなさ〉の大暴落 才女ブーム、来たる 理想は学生奥さま 文学が〈役に立たない〉とは悪口ではなかった 〈鑑賞〉が広まったわけ 文学部の〈女性化〉 

第九章 文系バブル崩壊――その後に残るもの ミス・コンテストは教養も競う 文系で玉の輿 カルチャーセンター――学ぶことの自己目的化 文芸の機会均等時代 自己実現願望の不良債権 間違いだらけの文系序論 室町の知 


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