■立尾真士著『「死」の文学、「死者」の書法――椎名麟三・大岡昇平の「戦後」――』■
2015年10月24日 翰林書房刊 446頁 4200円+税
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序章 「戦後文学」の思考/志向
1「戦後文学」と椎名麟三・大岡昇平
2「廃墟」からの「創造」と「戦前」の「反復」
3「昭和十年前後」の「反復」――平野謙の「戦後」(一)――
4「非文学的時代」としての「昭和十年代」――平野謙の「戦後」(二)――
5 二元論の陥穽
6「全体小説」論における「昭和十年代」――野間宏の「戦後」――
7「戦後文学」から椎名麟三・大岡昇平へ /
第一部「死」の文学――椎名麟三論――
第一章「死」と「庶民」――椎名麟三「深夜の酒宴」論――
1「庶民」派・椎名麟三
2「異質」な「庶民」
3「死」と「絶望」
4 加代という「謎」
5 転向者としての「庶民」
第二章「死」と「危急」――椎名麟三『赤い孤独者』論――
1『赤い孤独者』の評価をめぐって
2「死」と「神」
3 存在と「危急」
4 椎名文学における「危急」
第三章 回帰する「恐怖」――椎名麟三『邂逅』論――
1 キリスト教入信と「転向」
2「父」としての安志
3 強いられる関係性
4 刻み込まれる「溝」
5「転向」の反復
第四章「庶民」と「大衆」――椎名麟三と映画――
1 映画制作への参与
2「大衆」をめぐって
3「庶民」から「大衆」へ
4 「大衆」の把持不可能性
5 回帰する「庶民」
第五章「自由」と表象――椎名麟三『自由の彼方で』と『私の聖書物語』――
1『自由の彼方で』とイエス・キリスト
2「復活」と「自由」
3「僕」と「彼」、あるいはリアリズムの諸問題
4「復活」と表象
5「賭」としての表現
第六章「ほんとう」の分裂――椎名麟三『美しい女』と「戦後」の文学――
1「労働者」という「平凡」
2「美しい女」という絶対
3「私」という代行者
4「労働」と「死」
5「美しい女」と「女」
6 分裂の「戦後」 /
第二部「死者」の書法――大岡昇平論――
第七章 大岡昇平とスタンダール――ベルクソン・ブハーリンを軸として――
1 大岡昇平と「戦後文学」
2「明瞭なること」と「エネルギー」
3「持続」と「エネルギー」
4「エネルギー」と「抵抗」
5 大岡昇平における「散文」
6 大岡昇平の「戦前」と「戦後」
第八章 増殖する「真実」――大岡昇平『俘虜記』論――
1 椎名麟三と大岡昇平
2「真実」をめぐる問い
3「真実」と「イリュージョン」
4「わけだ」と「はずだ」
5「リアリズム」と「真実」
第九章「二十世紀」の「悲劇」――大岡昇平『武蔵野夫人』論――
1『武蔵野夫人』の背後
2 演じられる「役割」、つくられた「自然」
3「起源」をめぐって
4 勉の「エネルギー」
5「誓い」と「事故」
6 もう一つの「二十世紀」
第十章「死者は生きている」――大岡昇平『野火』論――
1『野火』の改稿
2「反復」
3「偶然」と「必然」
4 生きている「死者」
5「狂人」の記述
第十一章「亡霊」の「戦後」――大岡昇平「ハムレット日記」論――
1「ハムレット日記」の成立
2 父の「亡霊」
3「亡霊」化する「死者」
4「オフィーリアの埋葬」と持続する「戦後」
第十二章「死者」は遍在する――大岡昇平と「戦後」――
1「鎮魂」の共同体
2「詩のようなもの」
3「ゴルフ」
4「死者」と「戦後」
終章「責任」と主体――「戦争責任」論と椎名麟三・大岡昇平――
1 椎名文学と大岡文学の交接
2「戦争責任」をめぐって
3「責任」の領域
4 椎名麟三と「責任」
5 大岡昇平と「責任」
6 文学の「戦後」――椎名麟三と大岡昇平――
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