■日下力監修 鈴木彰・三澤裕子編『いくさと物語の中世』■
2015年8月15日 汲古書院刊 602頁 15000円+税
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巻頭言(日下力)
刊行の趣旨(鈴木彰・三澤裕子)
第一章 十三世紀――歴史・宗教・権力との交差――
『平家物語』と鎮魂(佐伯真一)
歴史の簒奪――〈清原氏の物語〉から〈源氏の物語〉へ――(野中哲照)
後鳥羽院と和歌・いくさ(平田英夫)
聖徳太子と合戦――仏教と戦争――(松本真輔)
天下乱逆をめぐる唱導――弁暁草と延慶本『平家物語』――(牧野淳司)
蒙古襲来と軍記物語の生成――『八幡愚童訓』甲本を窓として――(鈴木彰) /
第二章 十四世紀――受容と観念化の道程――
残された女の物語――小宰相と曾我兄弟の母――(大津雄一)
延慶本『平家物語』の陥穽――以仁王の乱の描写を対象として――(櫻井陽子)
十四世紀守護大名の軍記観(和田琢磨)
中国故事の受容と変容――『太平記』・『三国志演義』から『通俗三国志』へ――(田中尚子) /
第三章 十五世紀――芸能・学問・武家故実をめぐる動態――
戦いの伝承の劇化――エウリーピデースと世阿弥の場合――(日下力)
琵琶法師と芸能の世界――『蔭涼軒日録』と十五世紀の記録から――(清水眞澄)
いくさ語りと禅僧――『臥雲日件録抜尤』を通じて――(源健一郎)
文学史、文化史の中の『大塔物語』(佐倉由泰)
乱世における百科事典と文学――中世後期の武士の教養――(小助川元太)
黒白争闘――『鴉鷺合戦物語』攷――(齋藤真麻理)
「御台」の気概――武家に生きる礼法――(榊原千鶴) /
第四章 十六世紀――記憶と文物の編成――
今川家本『太平記』の性格と補配本文――戦国期『太平記』書写活動の一例――(森田貴之)
『吾妻鏡』刊本小考(小秋元段)
統一戦争の敗者と近世都市――三木落城譚を中心に――(樋口大祐)
幸若舞が描く「いくさ」(三澤裕子)
一揆鎮圧――島原一揆の「使者」の一面、福井藩・松江藩――(武田昌憲) /
第五章 十七世紀――再解釈と定着の諸相――
寛文・延宝期、軍記物語版本の挿絵の表現をめぐって
――延宝期五年版『平家物語』における頼朝「対面」場面を読む――(出口久徳)
天正十五年、豊臣秀吉の阿弥陀寺当座歌会をめぐって――『太閤記』等を端緒に――(田口寛)
源氏濫觴の物語――十七世紀、多田院周辺――(橋本正俊)
十七世紀末の浄瑠璃『源氏烏帽子折』が語った頼朝・義経の源氏再興譚――牛若東下りの物語から頼朝出世の物語へ――(岩城賢太郎)
『伽婢子』と軍書の影響関係をめぐって――『後太平記評判』『続太平記貍首編』を中心に西鶴に及ぶ――(倉員正江)
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