■松本郁代・出光佐千子・彬子女王編
『風俗絵画の文化学Ⅲ　瞬時をうつすフィロソフィー』
■

瞬時をうつすフィロソフィー――文化学の挑戦――　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （出光佐千子）

第１部　東西のエクリチュール　

食事の情景――西洋美術における飲食の主題――　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（宮下規久朗）
中華民国期の絵画における「風俗」へのまなざし　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　（呉孟晋）　
近代日本画肖像考――観山筆岡倉天心像の周辺――　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中野慎之）　

第２部　美のメディア　

幕末風刺画の中の役者評判絵　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（倉橋正恵）
上方役者絵における中判普及の背景――画帖仕立てとの関連性――　　　　　　　　　　 （中野志保）
円山派の美人画の展開
――応挙・素絢・南岳の美人画と同時代の美人表現との関係に注目して――　　　　　　（宮崎もも）
出光美術館蔵「桜下弾弦図」をめぐるいくつかの問題　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（舘野まりみ）

第３部　演出のメカニズム

　『古今和歌集』注釈にみる秘説の視覚性――見立てと時空間の構成をめぐって――　（松本郁代）
　「打出」――女房装束による美の演出とその歴史的変遷―　　　　　　　　　　　　　　　　　（吉住恭子）
　「吉祥画」としての四季耕作図――狩野永岳筆《四季耕作図屛風》を中心に――　　　　（松本直子）

第４部　信仰のプラットホーム　

狩野元信「釈迦堂縁起絵巻」（清凉寺）の制作をめぐって　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　（森道彦）
四天王寺図についての覚書――『一遍聖絵』、掛幅本『聖徳太子伝絵』をめぐって――　（米倉迪夫）サントリー美術館蔵「日吉山王祭礼図屛風」に見る中世の日吉祭　　　　　　　　　　　　　　　（下坂守）