■保坂達雄著『神話の生成と折口学の射程』■
2014年11月 岩田書院刊 487頁 14800円+税
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第一部 琉球第一尚氏の歴史伝承と信仰
第一章 琉球国王の出自をめぐる歴史伝承――第一尚氏王統の発祥を中心にして――
はじめに
一 『中山世鑑』から『中山世譜』まで
二 「佐銘川大ぬし由来記」
三 「サメ川ウフヌシ伝説」と屋蔵大主伝説
四 鮫川大主伝承の生成過程
第二章「佐銘川大ぬし由来記」の伝承世界
はじめに
一 「佐銘川大ぬし由来記」の諸本
二 「佐銘川大ぬし由来記」の伝承内容
三 尚円王金丸伝承との類似
四 口頭伝承の痕跡
五 家譜との関係と由来記の成立
第三章 場天ノロから聞得大君へ、あるいはテダシロからツキシロへ
はじめに
一 場天ノロ、聞得大君大和漂流救出譚
二 神名テダシロの禅譲
三 テダシロからツキシロへ
第二部 神話の生成とシャーマニズム
第一章 誕生と降雨――雨乞い謡における観念の古層――
はじめに
一 波照間島のクルムパン
二 白保の雨乞いのニガイフチィ
三 籠もりと女の孕み
四 孕みの観念の変容
おわりに
第二章 東アジアの日光感精型神婚譚
はじめに
一 天之日矛伝承と北及び東北アジアの神話
二 太子伝と十世紀の歴史叙述
三 大隈正八幡宮の縁起と対馬の天道伝説
四 沖縄の「てだぬふぁ」信仰
おわりに
第三章 神功皇后と「如意珠」
はじめに
一 神功皇后の霊威
二「如意珠」のもつ意味
三 行幸と白玉
おわりに
第四章 「角鹿」というトポス
はじめに
一 仲哀・応神天皇と角鹿
二 「御食つ国」としての角鹿
三 神功皇后と天之日矛
おわりに
第五章 女の流離と女神の生成
はじめに
一 神の巡行と奈具社の伝承
二 天之日矛伝承
三 淡島信仰
四 女ゆえの苦悩
第六章 天下を知る神、クエビコ
はじめに
一 足萎えの知恵者
二 山田のそほど
三 学問の神へ
第三部 出雲国造の歴史と就任儀礼
第一章 出雲国造神賀詞奏上儀礼の再検討
はじめに
一 神賀詞奏上儀礼の記録
二 補任・神賀詞奏上の儀礼内容
三 神賀詞奏上儀礼の歴史と位置づけ
第二章 出雲国造関係記事 私注
第三章 「忌部神戸」と「三沢郷」
はじめに
一 「忌部神戸」条の本文確定
二 「御沐」の場としての「神湯」
三 「三沢郷」条の本文確定
四 貴種誕生と三沢の聖水
五 本牟智和気王の物語との違い
第四部 希求する青年折口信夫
第一章 言語学から古代学へ
はじめに
一 国学院入学まで
二 東北アジア諸言語への傾倒
三 『辞林』編纂に集まった人々
四 文字から音声へ、国学から言語学へ
五 彷徨する青年折口信夫
六 言語学から民俗学へ
第二章 折口信夫と新仏教家藤無染
一 「自撰年譜」明治三十八年
二 「新仏教」とは何か
第三章 折口信夫 藤無染 同性愛説 批判
はじめに
一 「藤無染の部屋に同居」の解釈
二 明治三十八年の近江・美濃・伊勢歌群
三 歌語「十年」の問題
四 一高生 柳田との出会い――小説「口ぶえ」の中の一描写――
おわりに
第四章 折口信夫の飛鳥万葉旅行
はじめに
一 飛鳥への想い
二 万葉旅行のプラン
三 人間教育としての旅
付論1 折口信夫の沖縄採訪を促したもの
付論2 沖縄、本土からの視線――折口信夫の沖縄採訪前史――
付論3 折口信夫が慶應義塾に招かれるまで
第五部 折口古代学の生成
第一章 折口信夫の「言語情調論」
はじめに
一 「声音形式」における「意覚情調」
二 内容と形式の調和
三 短歌の言語論
第二章 折口信夫の「精霊」
はじめに
一 「精霊」の初出とアニミズム
二 「精霊」の概念
三 神の外部性
四 圧服される精霊
第三章 聖水信仰の発見――ネフスキーの提起と折口信夫による展開――
はじめに
一 ネフスキーと折口信夫の交流
二 ネフスキーの宮古諸島調査
三 「変若水」の解釈――ネフスキーの提起――
四 母胎を経ない誕生から「大嘗祭の本義」へ
第四章 「琉球国王の出自」の出自
はじめに
一 初出情報と講演「琉球国王の出自」
二 論文「琉球国王の出自」
三 伊波普猷との競合
おわりに
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