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津島知明著『枕草子論究――日記回想段の〈現実〉構成』


2014年5月18日 翰林書房刊 381頁 7200円+税


第一部 〈背景〉を迎え撃つ枕草子
 序 枕草子「日記回想段」に挑むために
  一、「たはぶれ」なる装い
  二、「想定されざる」読者として 
  三、「書き手」と〈私〉
 第一章 日記回想段の始発(六・七段)
  一、はじめに
  二、日記回想段が〈始まる〉
  三、「四足にな して」をめぐる攻防
  四、変わらないものを
  五、「生昌が家」から「御猫」へ
  六、笑顔の奪回
  七、長保二年、運命の春
 第二章 〈あの日の未来〉の作り方(一〇・二一段)
  一、時と場所とを遡る
  二、〈未来〉へのまなざし
  三、動員される〈過去〉
  四、〈いま〉への執着
  五、もうひとつの記憶
  六、「清涼殿」を再建する
 第三章 亀裂に巣食う〈花山院〉(三一・三二・三三段)
  一、寛和二年という年時
  二、執筆動機をめぐって
  三、「あはれ」の内実
  四、道心をめぐる言説
  五、信心との距離感
  六、「ほどほど」の道心
  七、亀裂を生みだす三二段
  八、「車」が体現するもの
  九、義懐の道心
  十、〈花山院〉という影
  十一、「菩提」という寺
 第四章 「頭弁」行成、〈彰子立后〉を背負う者(四七・一二八・一三一・一三二段)
  一、権記のもたらすもの
  二、冒頭のやりとりから
  三、鍵穴としての「大弁」
  四、行成との交友の物語
  五、目撃者としての行成
  六、「それより後」という終焉
 第五章 「頭中将」斉信、〈記憶〉を託された男(七八~八一・一二四・一三〇・一五六・一九一段)
  一、斉信の「登場」
  二、正暦から長徳へ
  三、「頭中将」との対話
  四、〈遅れ〉の連鎖
  五、「宰相中将」登場
  六、展開する斉信像
  七、一五六段の斉信
  八、「宰相中将」との対話
  九、斉信の背負うもの
 第六章 〈大雪〉を描く枕草子(八四・一七八・二八二段)
  一、枕草子の雪景色
  二、〈みる〉ものとしての雪
  三、加工される雪
  四、雪山の背負うもの
  五、〈雪と中宮と私〉を描く
  六、おわりに
 第七章 「内大臣」伊周の〈復権〉(九六・一〇一・一二五・一七八・二九五段・跋文)
  一、「職の御曹司」ふたたび
  二、「内大臣」伊周の登場
  三、復権譚の地下水脈
  四、「内大臣」の役割
  五、道長というファクター
  六、寛弘年間の伊周
  七、敦康から一条へ
  八、成信と経房
  九、おわりに

第二部 枕草子、解釈の諸相
 第八章 中宮定子の「出家」と身体(七八・九一・一二五・一七八段)
  一、「御仏名のまたの日」に
  二、「めでたし」と定子
  三、定子の「出家」
  四、定子の遺詠と「神仏」
  五、描かれた定子の身体
 第九章 「宮仕え」輝くとき(二一・二二段)
  一、「宮仕え」のすすめ?
  二、〈私〉の「宮仕え」
  三、「宮仕え」を描く
 第十章 〈敦康親王〉の文学史(八四段)
  一、雪山と若紫
  二、消える一条天皇
  三、雪山はなぜ消えたか
  四、〈敦康物語〉が始まる
  五、敦康を描く栄花物語
  六、一条天皇と源氏物語
  七、枕草子を撃つ紫式部
 第十一章 「円形脱毛症」にされた女(一七四段)
  一、「ある所に」の段を読む
  二、「禿頭」登場
  三、有明の月のありつつも…
  四、「心ばせ」ある男のふるまい

第三部 平安文学、享受の諸相
 第十二章 〈美人ではない〉清少納言
  一、「私は美しい女ではない」
  二、描かれた「容貌」
  三、「夫も子も持たぬ女」
  四、「お多福党の旗頭」
  五、「おかしげにもあらぬ姿なれども」
  六、「大して美人とはいへないまでも」
  七、「ととのった美人とは言いがたい」
  八、枕草子にみる「容貌」
  九、「目は縦ざまにつく」とは
  十、「髪」を描くこと
  十一、「したり顔にいみじうはべりける人」
 第十三章 教材「春はあけぼの」とテキストの〈正しさ〉
  一、はじめに
  二、その句読点は〈正しい〉のか
  三、その漢字は〈正しい〉のか
  四、句読点の根拠とは
  五、仮名文としてのテキスト
  六、句読点は拒めるか
  七、仮名文として読むならば
 第十四章 教科書の中の源氏物語
  一、君の名は
  二、徒花がくれた季節
  三、国定読本の若紫
  四、寄らば「作者の天稟」
  五、紫式部はなぜ偉い
  六、おだやかな時代
  七、不幸な寡婦の物語
  八、教科書と研究と私
 第十五章 源氏物語「帚木三帖」と歌の鉱脈
  一、はじめに
  二、帚木から始まる物語
  三、歌を詠む女たち
  四、鳥の歌、帚木の歌
  五、消える帚木
  六、空蝉の恋
  七、虫の女
  八、夕顔の白い花
  九、「草の花」の女
 第十六章 セルフ・ナラティヴとしての仮名日記
  一、はじめに
  二、あしたの「私」の作り方
  三、人生は区切れるか
  四、私だけの記念日
  五、母と呼ばないで
  六、私は私に言うたりたい?
  七、源氏オタク第一号
  八、結婚か就職か
  九、「反実仮想」で乗り越えて
  十、自分を罰したい時
  十一、終らない歌をうたおう



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