■宮澤隆義著『坂口安吾の未来 危機の時代と文学』■
2015年2月20日 新曜社刊 281頁 3200円+税
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序章 危機の時代と文学
一「堕落」について
二 逆説と矛盾
三 変化と個体化
第一章 ファルスの詩学――坂口安吾と「観念」の問題
一 何が「観念」と呼ばれるのか
二 意味と行為
三「純粋な言葉」と「実在」
四 ファルスという経験
五 変容への意志
第二章 ファルスは証言する――「風博士」論
一 事件の構造
二 ファルスは証言する
三 「可能の世界」が示すもの
四 「目撃者」の使命
五 接続される言葉
第三章 坂口安吾と「新らしい人間」論
一 一九三〇年代の坂口安吾
二 坂口安吾とソビエト――「新らしき性格・感情」
三 「環境」という問題圏
四 「理知」と「動物」――『吹雪物語』
五 転回――「ラムネ氏のこと」
第四章 「バラック」と共同性――「日本文化私観」論
一 「バラック」という原理
二 「模倣」と「発見」と
三 「独自性」と共同性
第五章 情報戦と「真珠」
一 日付と情報
二 長距離飛行の果てに
三「本末顚倒」な歩み
四 真珠の粉
第六章 空襲と民主主義――「白痴」論
一 「露路」と「掟」
二 空襲下における生
三 「火」と「太陽の光」
四 民主主義と主体化
第七章「思考の地盤」を掘ること――「土の中からの話」
一 坂口安吾と「土地」
二 中世と農地改革
三 「土地」の不気味さ
四 「思考の地盤」としての「土地」
第八章 暴力と言葉――「ジロリの女」をめぐって
一 「ジロリ」の眼差し
二 「金銭」について
三 「家」と秘密
四 暴力と言葉
第九章 法と構想力――「桜の森の満開の下」論
一 法の宙吊りのなかで
二 「市」と「魔術」
三 「無限」のネットワーク
四 切断と「桜」
五 小説と「蛇足」
第十章 「トリック」の存在論――「不連続殺人事件」とその周辺
一 民主主義と統治
二 「推理」という行為
三 「トリック」の存在論
終章 来たるべき文学
一 固体化と主体化
二 実存主義/主体性論争
三 新たなはじまりへ向けて
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