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竹内瑞穂著『「変態」という文化――近代日本の〈小さな革命〉』


2014年3月14日 ひつじ書房刊 310頁 5600円+税


序章 逸脱者と近代的権力 1 笑われる出歯亀 2 逸脱者と権力構造 3 「変態」概念を〈消費〉するということ 4 本書の構成 / 

第Ⅰ部 「変態」の生成と流動 
第1章 変態性欲論と変態心理学――大正期「変態」概念の成立―― 1 「変態」概念の源流と、二つの「変態」理論 2 「変態性欲」という概念 3 通俗的変態性欲論の恣意性 4 変態心理学の導入と展開 5 潜在意識論のラディカルさ 6 中村古峡の理論的矛盾 7 変態心理学と変態性欲論の帰結点 
第2章 「変態」に懸ける――『変態心理』読者とそのモチベーション―― 1 『変態心理』と読者たち 2 寄稿読者たちのモチベーション 3 変態心理学による「医学」への裏口的参入 4 〈霊的なもの〉と科学の共存 5 地方知識人としての寄稿読者 6 ポスト〈講義録の時代〉と変態心理学 
第3章 「民衆」からの〈逸脱〉――「変態」概念および天才論の流行と文壇人―― 1 アンケート「私の変態心理」 2 通俗化する「変態」概念 3 「天才」としての「変態」 4 「民衆」と対峙する「文壇人」たち 5 自己卓越化のための「変態」 
第4章 「変態」の「流動」――谷崎潤一郎「鮫人」の逸脱者たち―― 1 「変態」概念と谷崎潤一郎 2 「鮫人」とその逸脱者たち 3 〈本質の視覚化〉と身体のパーツ化 4 個人識別法という管理技術 5 変態性欲論からの逸脱 6 「変態」と「流動」する都市イメージ 7 「とんちんかん」への欲望 / 

第Ⅱ部 「変態」と呼ばれた者たちの生 
第5章 共同体への憧憬――小山内薫の芸術観と大本教信仰―― 1 「変態」としての大本教 2 小山内薫の大本教映画 3 大正期大本教のマスメディア宣教 4 小山内の反〈主流〉的大本教論 5 芸術と民衆のジレンマ 6 調和する共同体へのロマンティシズム 
第6章 欲望される〈天才〉――「変態」概念による批評と有島武郎の〈偶像〉化―― 1 有島の情死をめぐる言説空間 2 文学共同体の情死評価 3 地方保守層vs青年知識人 4 「変態」理論の転倒 5 〈青年〉をめぐるヘゲモニー闘争と〈偶像〉化する有島 
第7章 主体化を希求する〈逸脱者〉たち――男性同性愛者たちの雑誌投書―― 1 性的マイノリティを語るために 2 変態性欲論の被害者? 3 同性愛者の〈生〉をめぐる投書 4 同性愛言説をめぐるパラダイム 5 同性愛者の連帯への希求 6 想像的共同体の可能性と限界 / 

第Ⅲ部 「変態」の〈商品〉化――エロ・グロ・ナンセンスの時代― 
第8章 エログロへの〈転向〉――梅原北明の抵抗と戦術―― 1 エログロの帝王・梅原北明 2 『殺人会社』の立ち位置 3 模擬実験装置としての『殺人会社』 4 「変態」の〈商品〉的価値 5 差異の商品化 6 現状のなかでの抵抗 
第9章 左翼・エログロ・ジャーナリズム――『新愛知』におけるプロレタリア文学評論とモダニズム―― 1 近代都市・名古屋と『新愛知』 2 『新愛知』の文芸評論欄 3 文学評論欄と左傾編集者たち 4 先端性としてのエロ・グロ・ナンセンスとプロレタリア文学評論 5 〈未完〉のモダン都市・名古屋 第10章 プロレタリア文学の〈臨界〉へ――井東憲『上海夜話』におけるプロレタリア探偵小説の試み―― 1 プロレタリア作家・井東憲 2 近代民族国家システムからの逸脱者たち 3 奪還/動員すべき「大衆」 4 プロレタリア探偵小説の〈失敗〉 5 脱臼される〈大きな物語〉 
終章 〈逸脱〉・共同体・アイデンティティ 1 『変態心理』の終焉 2 『変態心理』読者たちの行方 3 北明の「グロテスク」な抵抗 4 「変態」的アイデンティティと共同体 5 〈祭り〉のあと




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